電子カルテは患者さんの情報をコンピュータで管理する電子データに置き換えたものです。従来の紙に記載するカルテと異なり、置き場所を取らないという特徴があります。
また、内容の検索や情報の共有が非常に容易であり、異なる医療機関同士でのデータのやり取りを短時間で実行できるのも電子カルテならではのメリットです。
ただしその反面で、電子データならではのデメリットがあるのも事実です。もし、諸事情でデータが破損してしまえば、読み込みができなくなってしまいます。また、外部からの不正アクセスによるデータの漏えいが起きる可能性もあるため、バックアップやセキュリティなどの対策は不可欠です。
その他、電子カルテへの切り替えに必要なコンピューター設備は非常に高額であり、小規模な医療機関では実施が困難という問題もあります。
電子カルテの扱い方は紙のカルテと基本的には同じです。患者さんのプライバシーに配慮しつつ、必要な情報の記録や確認を行うことが重要です。電子カルテは複製や修正が容易なことから、患者さんのプライバシーが第三者の手に渡ったり内容が改ざんされるリスクがあることを忘れてはいけません。
扱いが容易なデータは悪用されやすいとも言えるので、電子カルテを導入している医療機関は患者さんのプライバシー保護に尽力する必要があります。データの流出や破損は、医療機関の社会的な信用の失墜に繋がります。
電子カルテは非常に便利ですが、こうしたプライバシーの背景を知り、慎重に扱うことも重要だといえるでしょう。